【vol.1964】
こんにちは!
カウンセリングオフィス
プログレスのむかいゆかです。
亡き母が先月入院していたとき
緩和ケア病棟に空きがなかったので
空きが出るまでの間は
婦人科の病棟に入院していました。
日中、母に付き添っていた私は
夕方に妹にバトンタッチをして
病棟を後にしようと
エレベーターを待っていたとき
3年前からずっと母を診てくれていた
主治医の婦人科医の先生が
回診のために病棟にやってきたところ
エレベーターホールで遭遇したんですよね。
挨拶をすると
ハッと先生も私に気づいて
ちょっと立ち話をすることに。
それは先生から
母の命は「あと数週間ほど」と
私たち家族に直接話があった
数日後のことでした。
先生の当初の予想では
母の余命は1年でしたが
先生の予想は大幅に覆されて
2年ほど予想よりも長く
生き延びることができました。
そんな母のことを
主治医の先生は
と労ってくれていたのですが
そう言う先生の声は震えて
目には涙も浮かんでいたんですよね。
病院勤務のドクターたちにとっては
「死」は日常的なものであり
私たちのような一般人とは違って
「死」に直面したとしても
ちょっとやそっとのことで
感情が揺れたりしないだろう
…と勝手に思っていた私は
驚いたと同時に
そんな先生を目の当たりにして
私までもらい泣きしてしまいました。
「医者がそんなことじゃ
(感情的になっちゃ)ダメだろ!」
…と批判したくもなる人も
いるかも知れませんが
そのときの私は全くの逆で
先生が自身の
率直な気持ちや脆い部分をオープンにして
私に見せてくれたことで
先生がより身近な存在として感じられましたし
何よりも
私たち家族だけではなく
先生も私たちと一緒になって
母を失うことに対する悲しみに
向き合ってくれているのだ
…と思ったら
励まされるような気持ちにも
なったんですよね。
医療者としてではなく
ひとりの人間として
私たちと一緒にここにいてくれている。
そう肌で感じられて
先生のあたたかさが身に染みて
心が癒されました。
母の主治医の先生が
勇気ある自己開示をしてくれたことに
感謝すると同時に
この先生が母の主治医でいてくれて
本当に良かったと思った瞬間でした。
セラピストやカウンセラーが
涙を見せたり
自身の感情の自己開示したりするのは
NGとされるように
医療の世界でも
それは御法度なのかも知れませんが
少なくとも
私にとって今回のこの経験は
むしろ弱さの象徴というよりも
主治医の先生と
深いレベルでの気持ちのつながりを感じられ
心の支えを得られたパワフルな瞬間でした。
自身の弱さや脆さを見せるのは
とても勇気の要ることですが
弱さや脆さを見せることには
相手の孤独感を和らげ
心の支えになり得る可能性が
秘められているものです。
弱さや涙が、誰かの力になる。
先月の病院での出来事を思い出しながら
ひとりでも多くの人に
そんなことを知ってもらいたいなぁ
と願う師走の夜です。
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