【vol.2486】
こんにちは!
カウンセリングオフィス
プログレスのむかいゆかです。
先日、今何かと話題のドラマ
『Tシャツが乾くまで』を観ていて
「あ、これは臨床でよく出会う感覚だ」
と思った場面がありました。
蒼井優さん演じる主人公の
瀬尾咲子の夫の充は、
結婚をして、ようやく家まで手に入れた
——はずなのに、
なぜかその頃から
心のどこかで”逃げたい”という衝動と
戦うようになっていくんですね。

「幸せになったはずなのに、なぜか怖い」
「頑張って手に入れたものほど、大事にできない」
「順調な時ほど、そわそわして落ち着かない」
もし、このどれかに心当たりがあるなら、
それはあなたの意志が弱いからでも、
贅沢な悩みでもありません。
多くの場合、充のように
それは幼少期からの
“学習されたパターン“なのです。
私たちは「愛着」というと、
つい「愛されたか/愛されなかったか」という
二択で考えてしまいがちですが
臨床の現場で出会う方の多くは、
もう少し複雑な感覚を抱えています。
親からちゃんと見てもらえた実感がない。
でも、誰か一人くらいは、
自分のことを気にかけてくれた時期もあった。
なのに、その人との別れが、
驚くほどあっさりしたものだった。
この「あっさりした別れ」が
実はとても大きな学習を残すことがあります。
“見てもらうこと”はできても
“その関係が長く大切にされ続けること”は
信じられない——という感覚。
充の父親も母親は
虐待こそはしなかったものの
充には全く関心を見せませんでした。
というのも
充ができたから仕方なく結婚した…
という関係だったから。
母親が機嫌の良いときにだけ
連れて行ってもらえる
母親のお気に良いりの
喫茶店の店主のおじちゃんは
充に関心を向けてくれ
充が心を開いて何でも話せた
唯一の人だったのです。
でも、父親の転勤が決まって
引っ越しする前の日に
ひとりで喫茶店を訪れた充は
驚くほど
あっさりした対応をしたおじちゃんに
えらく落胆させられたのでした。

一次的な愛着対象(親)から
十分に見てもらえなかった人が、
「他人も自分を見てくれるはずがない」
と一般化してしまうのは、
臨床的にもよく見られるパターンです。
ただ、それだけでは
説明のつかないケースもあります。
実際には
誰かに見てもらえた経験があるのに
それでも人と深く関わることが怖い
——という方。
その場合、根っこにあるのは
「見てもらえない」という
恐れではなく
「見てもらえたとしても、
その関係は長続きしない」
「関係を失う時、軽く扱われる」
という、もう一段階先の
学習であることが多いように感じます。
もうひとつ、
見落とされがちなポイントがあります。
それは
こうしたパターンを抱える人は
関係が不安定な時期よりも
むしろ関係が安定して
幸せが確かなものになった瞬間に
急に苦しくなることがある…ということ。
✔️ 昇進が決まった直後、なぜか虚しくなる
✔️ パートナーシップが順調なほど、
距離を取りたくなる
✔️ 欲しかったものを手に入れた途端、
そわそわして落ち着かない
一見矛盾しているようですが
これにはちゃんとした理由があります。
何も手に入れていない状態では
「失うもの」がそもそも少ないので
心は安全ですが、
大切なものを手に入れたとき
初めて「これを失うかもしれない」という
新しなリスクが生まれるのです。

つまり、逃げたくなる衝動の正体は
「失うものの大きさが
自分の中で処理しきれる
限界を超えてしまったこと」
への反応であることが多いということ。
これは意志の弱さでも、
性格の欠陥でもありません。
幼少期に
安全基地(安心して頼れる相手)との
関わり方をどう学んだか
その積み重ねの結果として
今の反応パターンがある
——それだけのことなのです。
そして、そういったパターンは
今からでも、
十分に学び直すことは可能です。
もし、
✔️ 頑張って手に入れたものほど、
なぜか大事にできない
✔️ 順調な時ほど、逃げ出したくなる
✔️ 自分でも説明のつかない
距離の取り方をしてしまう
そんな感覚に心当たりがあるなら
一度ご自身の”怖くなる瞬間”のパターンを
私と一緒に見つめ直してみませんか。
【ご予約・お問い合わせはこちらから】
カウンセリングオフィスプログレス
公認心理師 | 臨床心理士 | AEDP®︎認定セラピスト
向 裕加(むかい ゆか)
| 住所 | 〒060-0042 札幌市中央区大通西1丁目14-2 桂和大通ビル50 9F マップを見る |
|---|---|
| 営業時間 | 【火~金】13:00~20:15 【土】10:00~17:00 |
| 定休日 | 日・祝日・月 |