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支援者のひとりよがりな善意が、目を曇らせるとき

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【vol.1789】

 

 

こんにちは!

カウンセリングオフィス
プログレスむかいゆかです。

 

 

 

セラピー/カウンセリングをするとき

クライエントの心の動きを

観察することはもちろんなのですが

 

 

私たち自身の心の動きも

同時に観察していくことが必要です。

 

 

 

というのも

関係性というものは双方向であり

常に互いが互いを影響し合うものなので

 

 

それに意識を向けた上で

次のステップ(介入方法)を

決めていく必要があるからです。

 

 

 

特にAEDP™️セラピーのトレーニングでは

クライエントのみならず

セラピストの心の動きや身体感覚などをも

tracking(追跡)していくことに

重きが置かれていることもあるせいか

 

 

今ではそれがしっかりと

身体に落とし込まれていて

 

 

クライエントと会っている時間以外でも

無意識のうちに

自分自身のtrackingをしていることが

度々あります(職業病ですね。苦笑)。

 

 

 

今朝も『虎に翼』を観ていたときにも

無意識のうちに自分自身の

trackingしていたようで

 

 

2つのシーンを観ているときに

心がザワつくような不快感を

感じとっていました。

 

 

 

 

 

私がザワつきを感じとった
その2つのシーンというのを

端的にまとめてくれたのが

この『婦人公論』の記事なのでご参考までに!

 

 

 

 

 

女子部で一緒に法律を学んでいた

朝鮮人の崔香淑が

寅子の同僚の妻で

日本名を名乗る汐見香子として

ひょんなことで寅子の前に現れるんですよね。

 

 

 

翌日に

同僚であり香子の夫である汐見から

事の経緯を聞かされて、寅子はこう言います。

 

 

私にできることはないんでしょうか?

 

助けてほしくても
そう言えない人だって
いるんじゃないでしょうか?

 

 

 

また、餓死してしまった

明律大学の同期で判事になった

花岡の妻が寅子に会いにきたとき

 

 

真っ先に寅子は

花岡の妻にこう謝罪します。

 

 

ごめんなさい。

花岡さんが苦しんでいることに

気づけませんでした。

 

気づいていたら

何か変わってたかもしれないの。

本当にごめんなさい。

 

 

 

私の心がザワついたのは

支援者が陥りがちな

無自覚な善意の押しつけ

自身の能力に対する過信

寅子の言動の中に感じとったと同時に

 

 

若かりし頃の自分にも

そういったところが往々にしてあって

そんな自分の未熟さに対する恥ずかしさ

も感じたから。

 

 

 

 

 

困っている人を助けることは

決して悪いこととは思いません。

 

 

 

でも

その人を助けたいという善意は

「善意だから正しい」

ということでもないんですよね。

 

 

 

香子が困っているものだと

一方的にジャッジして

 

 

「私がなんとかしてあげたい」

 

 

と彼女の気持ちを

わかったつもりになって代弁するのは

香子の気持ちを無視した一方的な善意ですし

 

 

香子の物事を決定する力を

無自覚に奪う行為として捉えることもできます。

 

 

 

また、花岡の妻、

奈津子に対する謝罪も

 

 

「私が気づけなかったばかりに

 あなたたちを不幸にしてしまった」

 

 

という寅子の一方的なジャッジメントがあり

 

 

「気づいてさえすれば

 私なら何かできたかも」

 

 

という自分の力に対する過信も

見え隠れしてると思うんですよね。

 

 

 

これって法曹界に限らず

私も含めて対人支援職に就く人に

ありがちな傾向だと思いました。

 

 

 

自分が善意だと思っていることが

独善的にはなっていないか?

 

 

 

そして

そのひとりよがりが不用意に

他者を傷つけたりはしていないか?

 

 

 

無自覚であるがゆえに

なかなかその問題性を理解するのが

難しかったりもしますが

 

 

だからこそ、日頃から

自身の言動をセルフチェックして

内省することが必要不可欠なんですよね!

 

 

 

 

 

寅子の振り見て、我が振り直せ。

 

 

 

思い上がりや驕りに振り回されることなく

目の前のクライエントの痛みに

しっかりと寄り添っていきたいと思うと同時に

 

 

ますます『虎に翼』から
目が離せなくなってしまいました!

 

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