
人の価値は
「役に立つかどうか」で
決まるものではありません。
けれど
私たちは知らず知らずのうちに
その刷り込みを抱えてしまいます。
【vol.2238】
こんにちは!
カウンセリングオフィス
プログレスのむかいゆかです。
今日の出勤途中
若いスーツを着た会社員風の男性が
「本当に、アイツ使えないんだよな」
と口にしているのを耳にしました。
その瞬間、
15年ほど前に友人と飲みに行ったとき
彼女が年上の職場の男性のことを
「あいつ、まぢで使えない!」
と言い放ったことが
ふと思い出されました。
その場は笑い話のような空気でしたが
私はその一言に引っかかり
どうにも嫌な気持ちになったのを覚えています。
というのも
「使えない」という言葉には
単なる愚痴以上のものが含まれていて
そこには
「人を役立つかどうか」で評価する視点が
透けて見えるからです。
日本では、子どものころから
「役に立つ人間であれ」といった
メッセージを受けやすい環境があります。
「頑張らないとダメ」
「結果を出さなければならない」
と言われ続けると、
いつしか
「自分の存在価値=成果を出すこと」だと
信じ込んでしまうのです。
その結果
休んでいるときや思うように働けないときに
「私は使えない」と感じてしまったり
逆に他人に対しても
「使えるかどうか」で判断してしまう
…ということが起こります。
多くの人が
「生産的でなければならない」という
プレッシャーを抱えています。
何かを学んでいるとき
仕事をしているとき
家事をしているときなど…
常に「役立ってるかどうか」が
頭を離れないのです。
生産的であることは
決して悪いことではありませんが
それが
「自己価値」と結びついてしまうと
途端に、苦しさを生み出します。
「何もしていない自分には意味がない」
と感じるようになると
休むことすら
罪悪感につながってしまうのです。
セラピーの現場で
多くの人と向き合う中で
私が強く感じているのは
人の価値は
「使える/使えない」で決まるものではない
ということ。
むしろ
「役に立たなければならない」
という思い込みこそが
その人自身の自然な感情や
休息の欲求を押し込めてしまい
心身を疲弊させてしまう元凶だと思います。
有能さを守ってきた努力は
その人を支えてきた大切なものですが
そこに頼りすぎてしまうと
知らず知らずのうちに
「本来の自分」を
見失ってしまいます。
「使えない」と言われることは
とてもつらいことです。
しかし、本来であれば誰しもが
「使えるかどうか」に関係なく
価値を持っています。
休むことも、弱さを見せることも
人間らしさの大切な一部です。
もしあなたが
「生産的でなければならない!」と
自分自身を追い込んでいるようなら
その奥には
「役に立たなければ愛されないのでは」
という恐れや不安が
潜んでいるのかもしれません。
その恐れや不安に気づき
やさしく寄り添ってあげることが
自己価値を取り戻す第一歩になります。
セラピーの場では
それらの感情を安心できる関係の中で扱いながら
「そのままの自分でも大丈夫」という感覚を
少しずつ取り戻していくのをサポートしていきます。
もし「役に立たなければ」と
自分を追い込んでしまうとき、
その思い込みに
ひとりで立ち向かう必要はありません。
安心できる場所で
一緒に新しい感覚を
見つけていくことができます。
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