
某百貨店に期間限定で出店していた
ジュエリーショップで感じた
ちょっとした違和感。
セラピーにおける
「信頼の距離感」について
考えさせられました。
【vol.2140】
こんにちは!
カウンセリングオフィス
プログレスのむかいゆかです。
今日の帰宅途中、
たまたま立ち寄った某百貨店で
ジュエリーショップの
ポップアップストアが出ていたので
ふらっと覗いてみたのですが
店員さんの距離感が
あまりにも近すぎて
そそくさと立ち去ってしまいました。
一点物のジュエリーなので
それぞれに個性があって
素敵なリングやネックレスが
ショーケースの中に並んでいました。
「綺麗だな〜」
と思いながら眺めていたところ
すぐに若い女性の店員さんが
私のところにやってきて
間髪入れずに声をかけてきました。
「素敵なお洋服ですね」
「お仕事の帰りですか?」
「普段はアクセサリーは
身につけないんですか?」
矢継ぎ早に
質問やコメントを繰り返し
私が移動すれば移動したで
追いかけるようについてきて
無理矢理にでも会話をつなごうとする様子に
だんだんと居心地が悪くなってしまって
早々にその場を離れることにしました。
もちろん、店員さんの気持ちは
よくわかります。
ポップアップストアという
期間限定の販売の機会で
できるだけ売りたいと思うのは
ビジネスをしていたら当然のことでしょう。
でも、彼女が売ることに
一生懸命になればなるほど
無意識のうちに
私を自分のペースに巻き込もうとする感じが
否応なく伝わってきたんですよね。
それは、私の気持ちやペースが
置いてきぼりになっていくような感覚で
そのジワジワと広がる違和感が
次第にしんどさへと
つながっていったのです。
急に「近づきすぎる」と
関係は遠くなる
そのしんどさを感じながら
「これはセラピーの場面でも
起き得ることだなぁ」
と思いました。
私たちセラピストが
「早くこの人を変えなくちゃ」
「いい方向に導かないと」
と躍起になればなるほど
クライエントは身構えてしまいます。
たとえそれが
善意からくるものであっても
「〜すべき」
「〜した方がイイ」
という“正しさ”がにじみ出てしまうと
人は自然と心を閉ざしてしまうものです。
誰かと関わるとき
“こちらから、あえて近づきすぎない”
という選択をすることも
立派な関わり方なのだと思います。
ジュエリーだって
自分の感覚やペースで
じっくり選びたいものです。
必要があれば
こちらから声をかける。
それで十分。
セラピーも同じで
必要なときに、必要な言葉が
届くようになっている。
私は、そんなふうに感じています。
だからこそ
無理なく自然に
やり取りがおきるように
あらかじめ
“余白”を残しておくことが大切で
それが
信頼を育てる土台になるのでは
ないでしょうか。
今日、私はジュエリーを買うことなく
お店を後にしてしまいましたが
売り込まれることがなかったら
もしかすると買ってたかもしれないなぁ…
なんて、思わなくもありません。
心って、本当に繊細なんですよね。
誰かにコントロールされそうになると
人は一瞬で警戒モードになりますが
自分の気持ちやペースが
尊重されていると感じられると
人は自然と近づきたくなったり
自分自身を開きたくなったりするもの。
ジュエリーも、セラピーも
「あなたのペースで
あなたの自由に選んでいいんですよ!」
という空気があると
人は、ちゃんと自分の感覚で
選び取ることができて
それが変容や成長へと
つながっていくんだよなぁ…
と、そんなことをボンヤリと
帰り道に考えていました。
つい、良かれと思って
誰かを“導こう”としてしまう。
でも、本当に大切なのは
その人の感覚とペースを信じて待つこと。
セラピストとしても、一人の人間としても
そのことを忘れずにいたいと思った
金曜日の夕方でした。
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