【vol.1486】
こんにちは!
カウンセリングオフィス
プログレスのむかいゆかです。
今日、8月15日は
終戦記念日ですよね。
戦争が終わって
78年という歳月が経ち
当時のことを知っている人も
少なくなったせいか
私が子どもの頃と比較して
戦争のことが語られることも
めっきり減ったように感じます。
ただ、最近、
セッションをやっていると
この時代を生きる人が抱えている
生きづらさの原点をたどると
戦争の影響が大きいのでは?
と思うことは少なくありません。
20年前に亡くなった
私の父方の祖父も
満州からの帰還兵でした。
私の中での祖父は一貫して
物静かな人というイメージなのですが
改めて振り返ってみると
物静か…というよりは
怒ることもほとんどなければ
笑うこともほとんどなくて
感情の抑揚に乏しかった人で
ひょっとしたら
「感情鈍麻」
というトラウマ症状のせいで
物静かに思えたのかもしれない
…と今更ながらに感じています。
虐待や性暴力、DV、生きづらさ
…などのさまざまな問題や悩みを抱える
クライエントに会って感じることは
問題や悩みの根源というものは
世代を超えて受け継がれてきたものが多く
大なり小なり戦争の影響を
受けていることがほとんどです。
でも、戦時中から
「欲しがりません勝つまでは」
などといった国策標語に
私たちの祖先は支配されて
辛いことや苦しいことがあっても
我慢することを強いられたり
敗戦は日本の恥
…という雰囲気から
戦地で受けた心の傷を
封印しなければならなかったりして
適切なケアが施されることが
ほとんどなかったんですよね。
放ったらかしにされてしまった帰還兵は
うつやPTSDに悩まされながらも
その苦しみや痛みを打ち消すために
酒に溺れるようになって
それがアルコール依存へと
さらには家庭内での暴力や自殺などの
問題へと発展していったというワケです。
そういった意味で
日本に生きる私たちは
戦争トラウマの影響を
未だに引きずっていると言っても
過言ではありません。
セラピー/カウンセリングで扱われる
クライエントの問題や悩みは
極めて個別性の高い案件ばかりですが
その背景には必ずと言ってイイほど
社会的な影響が存在しており
それは戦争といったような
過去の出来事さえも世代を超えて
連鎖したりしているものです。
意識をしていないと
「木を見て森を見ず」
になってしまいがちな
セラピー/カウンセリングの
セッションですが
「戦争」などの社会的/集団的トラウマ
といった背景を含めた大局的見地に立って
クライエントと向き合う必要性を
改めて感じた2023年の終戦記念日です。
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