私たちは
「喜び」や「達成感」を感じることに
意外とブレーキをかけているものです。
【vol.2349】
こんにちは!
カウンセリングオフィス
プログレスのむかいゆかです。
今、日本語で初の
AEDP®︎のイマージョンコースが
開催されていて
私も
アシスタントのひとりとして
参加させてもらっています。
あくまでも一般的な話になりますが
セラピーやカウンセリングでは
悲しみや怒り、恐れや嫌悪といった
いわゆる“ネガティブ”という
カテゴリーに分類される感情に
焦点を当てていくことが
多いように思いますが
AEDPでは
“ポジティブ”な感情にも光を当てて
それをしっかりと感じきっていく
…ということをしていきます。

先日の講義では
そういったポジティブな感情を
いかにして深めていくか…について
学ぶ機会があったのですが
慣れないコンセプトだったせいか
違和感を抱かれている受講生も
見受けられました。
たしかに
「ポジティブな感情に目を向ける」
という話をすると
「無理に前向きに
なろうとしているだけでは?」
「都合のいい自己暗示じゃない?」
そんなふうに
疑問を感じる人がいるのも
無理はないと思うんですよね。

というのも
実際、日本の文化や家庭環境のなかでは
喜びや誇らしさをそのまま表に出すことが
✔️ 出しゃばっている
✔️ 自慢している
✔️ 妬まれる
✔️ 足を引っ張られる
といったリスクと結びつけて
語られることも少なくないから。
私自身、母から
「喜んでいると
周りに自慢していると思われて
嫌われてしまうよ!」
そんな言葉を
繰り返し聞いて育ちました。
だから「喜び」という感情は
感じる前にどこかでブレーキが
かかってしまったり
受け取ることを
無意識に避けてしまう。
そんな経験をしてきた人は
私だけではなく
実はとても多いのではないでしょうか。
でも、AEDPの視点に立つと
ここでひとつ
大切なポイントがあります。
それは—
ポジティブな感情も
ネガティブな感情と同じように
“ひとりでは育たない”ということ。
悲しみや恐れが
「わかってもらえた」
「一緒にいてもらえた」経験によって
少しずつ和らいでいくように
喜びや達成感
自分を誇らしく思う感覚も
誰かと分かち合われ
受け取ってもらうことで
はじめて、身体に根づいていきます。

ここで言っている
「ポジティブに考える」というのは
無理やり明るく振る舞うことでも
嫌な気持ちを
なかったことにすることでもありません。
そうではなくて
✔️ できた
✔️ 届いた
✔️ 伝わった
✔️ 越えられた
そんな事実として起きた体験に対して
湧き上がってきた感情が
「それでいいんだよ」
「ちゃんと感じていいんだよ」
ときちんと受けとめられ、
一緒に味わってもらうことによって
「私はやれた」
「私には力がある」という感覚が
静かに、でも着実に育まれていくのです。

私は
ネガティブな感情と同じくらい
—あるいはそれ以上に—
このポジティブな感情が
きちんと受けとめられ、
そして一緒に喜ばれる経験が
過小評価されてきたように感じています。
謙虚であることは
たしかに大切です。
でも、謙虚であることと
自分の喜びや達成感を感じないことは
まったく別ものだと思うのです。
感じないことは、美徳ではない。
感じきることは、傲慢でもない。
むしろ
感じきれなかった喜びは
自信になりきれず
次の一歩を支える力にもなりにくい。
AEDPが
ポジティブな感情にも
丁寧に光を当てるのは
単に「前向きになるため」ではなく
その人の喜びや達成感が
きちんと受けとめられ
一緒に喜ばれる体験を通して
その人が
自分の力を自分の身体で
信じられるようになるため
私は、そう感じています。

2025年も残りわずか1週間。
この一年で
「できた」「越えられた」
「続けられた」ことがあるなら
そのときに湧いてきた感情を
どうか置き去りにしないでください。
喜びや達成感も
受けとめられてこそ
力になるものだから。
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