感情を抑えることが
「大人の対応」とされる文化の中で
私たちはいつのまにか
“感じたままを見せる”ことに
慎重になってしまいます。
けれど
そこには本当のつながりを
生む力があるのかもしれません。
【vol.2289】
こんにちは!
カウンセリングオフィス
プログレスのむかいゆかです。
今日は
台湾人のAEDP®︎セラピストの
Evonの招待を受けて
台湾人セラピスト向けの
ワークショップで
ゲストスピーカーとして
話をさせてもらいました。

話をする中で
ふと子どもの頃のことが
思い出されたんですよね。
それはなにかというと
子どもの頃、よく母から
「お姉ちゃんは
(気持ちが)すぐ顔に出る。
それは良くないことだ」
と言われていたこと。

だから私は長い間
「感情を見せることは悪いこと」
「気持ちが顔に出るのは
ワガママ/自己中心的の証」
だと思っていました。
けれど今、セラピストとして
セッションを振り返ると
私は表情がコロコロと
変わっていることに気づきます。
スーパーヴィジョン(指導)で
セッションのビデオを観ながら
自分でも思わず笑ってしまうほどです。
私のセッションでは
「あなたの話を聞いていて
私はこんな気持ちになっています。
それを聞いてどう感じますか?」
と訊くことがあります。
これは、私が自らの感情を積極的に
“見せる(自己開示する)”ことで
クライエントが安心して
自分の気持ちに触れられるように促す
一種の試みです。

確かに、日常の生活の中では
表情を通して感情を見せることが
いつも心地よく
受け取られるわけではありません。
相手に不快な思いを
抱かせてしまうこともあるし
自分を出すことで
相手や集団とのつながりが
切れてしまうリスクもある。
そう考えると
母が言っていた
「顔に出すのは良くない」
という言葉には
一理あったのだと思います。
ただ、セラピーの場では少し違います。
セラピストが
自分の心の動きを見せることそのものが
“安心して人とつながるとは
こういうことなんだ”
という体験のモデルになっています。

そして、抑えるよりも
あたたかく見せ合う体験が
心に少しずつ自由を取り戻すのを
可能にしてくれるのです。
最初は驚いたような表情を
見せる方もいます。
けれど少しずつ
「こんな気持ちを抱いてもいいんだ」
と自分に許可を出せるようになる。

すると
閉じ込めていた感情が
自然に流れはじめて
やさしさや力強さが戻ってきます。
感じることは
つながりを取り戻すはじまり。
その体験を一緒に味わうことこそ
セラピーの醍醐味だと感じています。
昔の私は
「顔に出る自分」を
直したいと思っていました。
でも今は
表情が変わることを通して
誰かの心に触れられることの
尊さを感じています。
“顔に出る”というのは
心が生きて動いている証。

あの頃の私に
「それでいいんだよ」
と伝えてあげたいです。
そして今、
その“顔に出る私”のままで
誰かの心に寄り添えることを
静かに誇りに思っています。
そんなことを感じた
日曜日の朝の学びの時間でした。
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