言葉にすることで
心は少しずつ自由を取り戻していきます。
Netflixで配信されているドラマ
『こんなのみんなイヤ!』の中にも
そんな瞬間がありました。
【vol.2287】
こんにちは!
カウンセリングオフィス
プログレスのむかいゆかです。
Netflixのドラマ
『こんなのみんなイヤ!
(原題:Nobody Wants This)』は
無神論者で性にオープンな
ポッドキャスターのジョアンと
ユダヤ教のラビ(指導者)であるノアという
まったく正反対の世界に生きる
ふたりの恋を描いた物語。
価値観や信念、文化の違いから
すれ違いながらも互いに惹かれ合い
“本音でつながる”とは何かを探していく。
軽やかなコメディの中にも
人の心の深い動きを描いた作品で
本国アメリカでも評価が高いドラマです。
◆配信開始
Netflixシリーズ
『こんなのみんなイヤ!』シーズン2(アメリカ)ジョアンとノアの恋は目まぐるしく、波乱続き!
家族との確執、仕事上の困難、
そしてある差し迫った重大な問題が
ふたりの前に立ちはだかる。正反対な人生観と家族をもつ2人の
ロマンティックコメディ新シリーズ。… pic.twitter.com/6i26CWrJd2— Netflix Japan | ネットフリックス (@NetflixJP) October 23, 2025
昨日からシーズン2の配信がはじまって
早速、観はじめているところ。
観終えたばかりのエピソード2で
セラピーにも通じる
印象的なシーンがありました。
ジョアンが
ユダヤ教に改宗しなかったことで
ノアに打診されていたラビの新しい役職が
別の人物—
通称「ビッグ・ノア」に渡ってしまいます。
名前も同じ“ノア”で
立場もそっくりな別の人に
仕事を奪われた形となってしまって
ノアはずっとそのことを気にしていました。
このエピソードの終盤
彼はついにジョアンの前で本音をこぼします。
「ビッグ・ノアが嫌いだ!
あいつに(役職を)奪われた。
最低だ!」
そう言ったあとで
「聞きたくなかったろ」
と申し訳なさそうに言うノア。
それに対してジョアンは
やさしく微笑みながらこう答えるんですよね。
「ついに聞けて、嬉しかったわ」
そして、ノアが
「悪い人間だろ」と言うと
ジョアンはさらにこう返すのです。
「違うわ。ただの人間よ」
抑えてきた悔しさや情けなさを
ようやく口にした瞬間
ノアの中に流れが戻り
「全部吐き出して気分がいい」
と言葉が続きます。
それは、まさに、
防衛の鎧がほどけた瞬間だったのです。

セラピーの場でも
ノアが感じていたように
悪い人間だと思われたくなくて
自分の本当の気持ちを
呑み込んでしまう人は
決して少なくはありまえん。
たしかに
感情を言葉にしただけで
状況が好転するわけではありません。
でも
“現実を動かすこと”よりも大切なのは
滞っていた心の流れを取り戻すこと。
言いたくても言えなかった思いや
わかってもらえないまま
呑み込んできた気持ちは
体のどこかに固まって
エネルギーを奪っていきます。
それを
安全な場で言葉にしていくことで
胸の奥にあった重たさが
少しずつ動きはじめるんですよね。
気づけば
止まっていたものに再び流れが生まれ
心が静かに息を吹き返していくのです。

ノアとジョアンのやり取りは
まさにその象徴でした。
ジャッジメントされることなく
自身のありのままの気持ち
(たとえそれがネガティブなものであろうとも)
を誰かにしっかりと受けとめてもらうことで
心の奥にしまい込んだ感情が
溶け出して、やわらかく動き出す。
その瞬間
私たちは“良い人”ではなく
“ただの人間”に戻るのかもしれません。
「言っても意味がない」と感じるときほど、
言葉にしてみることが
心の回復の第一歩となるもの。
ノアのように
誰かの前で素直に気持ちをこぼすことは
ときに勇気のいることかもしれません。
けれど、言葉にしてみることで、
少しずつ心の流れが戻ることで
自分らしさも取り戻されていきます。
もし今、心の中にしまい込んでいる
誰にも言えない思いがあるなら—
それを、セラピーという安全な場で
言葉にしてみませんか?

これから、ノアとジョアンが
どんな風になっていくのか
今後の展開にも乞うご期待!
| 住所 | 〒060-0042 札幌市中央区大通西1丁目14-2 桂和大通ビル50 9F マップを見る |
|---|---|
| 営業時間 | 【火~金】13:00~20:15 【土】10:00~17:00 |
| 定休日 | 日・祝日・月 |