自己肯定感を高めて人生を前向きに!
最先端の心理療法であなたをサポート

“わからないまま”でいい|セラピーと政治に共通する「言い切り」の罠

LINEで送る
Pocket

【vol.2178】

 

 

 

こんにちは!

カウンセリングオフィス
プログレスむかいゆかです。

 

 

 

世界的にも権威のある推理小説の賞

『ダガー賞』の翻訳部門で

 

 

日本人として初めて受賞したというニュースで

私は初めて王谷晶氏のことを知りました。

 

 

 

“わからないまま”でいられる力

 

 

 

興味が湧いてきて

いろいろと検索しているうちに

授賞式での彼女のスピーチの内容や

 

 

 

 

インタビュー動画が出てきたりして

 

 

 

 

その中で語られる

「曖昧さこそが大切である」

というメッセージに

思わず深く頷いてしまいました。

 

 

 

曖昧さを排除しないこと。

 

 

 

はっきりしないままに、

しばらく共にいること。

 

 

 

それこそが

セラピーでも、今の社会でも

必要な視点だと強く感じたから。

 

 

 

「強い言葉」が安心をくれるとき

 

 

 

選挙が近づいた今、

街にはいろんな「声」が

響き渡っています。

 

 

 

「これが正解です」

「これが真実です」と

 

 

かなり断定的に言い切る

演説やSNSでの投稿が

目につくようになりました。

 

 

 

混乱や不安が続く時代だからこそ

ハッキリ言い切ってくれる人に

頼もしさを感じる—

それは決して不思議なことではありません。

 

 

 

「自分の気持ちを代弁してくれる」と感じて

その言葉にすがりたくなるのも

自然な反応です。

 

 

 

けれども、その「強さ」は

ときに私たちの感じる力考える力

奪ってしまうこともあります。

 

 

 

白か黒か、善か悪か。

 

 

 

 

 

 

そんなふうに

単純に切り分けられた世界の中では

“私”の存在は簡単にかき消されてしまう—

 

 

その危うさを

見過ごしてはならない気がしています。

 

 

 

曖昧さを受けとめるセラピー

 

 

 

セラピーの場面でも

「先生、どうすればいいですか?」

と明確な答えを求められることがあります。

 

 

 

もちろん、それだけ困っていたり

苦しさの渦中にいるということだと思います。

 

 

 

けれど、私が大切にしているのは

その場で安易に答えを出すことではなく

「わからないまま」で一緒にいながら

 

 

少しずつクライエント自身の中から

見えてくるものを育んでいくという

プロセスです。

 

 

 

答えを“与える”のではなく

問いながら“一緒にみつけていく”こと。

 

 

 

 

 

 

その曖昧さに留まる時間こそ

クライエントの主体性を守るために

必要なものだと感じています。

 

 

 

自分で選び取る力を信じて

 

 

 

ハッキリした言葉は

一時的な安心をくれるかもしれません。

 

 

 

でも、自分の感覚や経験を丁寧にたどって

自分で選び取っていくというプロセスには

もっと深くて静かな力があると信じています。

 

 

 

曖昧さを怖れずに

「まだわからない」という状態を

自分にも他人にもそして、社会にも

許すことができたなら—

 

 

 

誰かに決めてもらうのではなく

誰かに押しつけるのでもなく

 

 

対話をしながら“自分の言葉”で

歩いていけるようになる。

 

 

 

そんなふうに世界が動いていけたら

きっと、もっと生きやすくなると思うのです。

 

 

 

王谷さんの言葉に

そんな希望を見出しました。

 

 

 

王ダガー賞受賞作品『ババヤガの夜』も

早速ダウンロードしたところ。

 

 

 

 

 

 

時間を見つけて、ゆっくりと味わいながら

読んでいきたいと思います。

 

 

 

LINEで送る
Pocket

お問い合わせ

住所 〒060-0042
札幌市中央区大通西1丁目14-2
桂和大通ビル50 9F
マップを見る
営業時間 【火~金】13:00~20:15
【土】10:00~17:00
定休日 日・祝日・月

           

女性公認心理師
臨床心理士

                               
名前向  裕加
住まい北海道