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【vol.2042】
こんにちは!
カウンセリングオフィス
プログレスのむかいゆかです。
今朝、Xを眺めていたとき
フォーローしているアメリカ人の
心理学者であり心理療法家の男性が
こんなポストを投稿しているのを目にしました。
Your “lived experience” makes you a mental health expert the way having a heart attack makes you a cardiologist
— Jonathan Shedler (@JonathanShedler) February 20, 2025
意訳になりますが
日本語にすると
こういった意味になります。
自分の経験があるからといって
メンタルヘルスの専門家になれるわけではない。
それはたとえば
心臓発作を経験したことがあるからといって
心臓の専門家になれるわけではないのと同じだ。
議論の余地はあると思いますが
個人的には
この見解には概ね賛同します。
セラピーやカウンセリングを
提供することに
欧米のように法的な規制がない日本では
メンタルヘルスの問題や
精神疾患を克服したという人たちが
“自身の経験のみを頼り”に
セラピー/カウンセリングを
提供していることが
少なくはありません。
私は
それ自体が問題だとは思っていません。
そのときの経験は
共感や信頼関係、つながりを築く上での
大きなアセットになると思うから。
ただ
自分の経験“だけ”に頼ることには
大きなリスクが孕んでおり
クライエントを
危険に晒してしまうことも。
というのも
何事にも基礎というものは必要で
それは
メンタルヘルスや精神疾患についても
それらやトラウマに対するケアについても
決して例外ではないと思うから。
基礎医学や基礎看護の勉強をすっ飛ばして
医師や看護師が医療行為をしていたら
怖くないですか?
私は怖いと思いますし
無責任だとも感じます。
もし自分自身の体験を活かして
自分と同じように悩んでいる人たちを
助けようと思うなら
まずはそのモチベーションを
セラピー/カウンセリングをするにあたって
必要不可欠な知識やスキルを
身につけたりすること
つまり
然るべき教育や指導を
受けることに向けるべきです。
むしろ
そうすることが真の意味での
「クライエントのことを想う」
誠実な態度だと思うから。
経験があるからといって
基本的な理論や技法を学ぶこともなしに
いきなりクライエントを
モルモットみたいに扱ってはならない
…ということなんですよね。
皆さんに
こういったことを、時々、
注意喚起しなければならないのは
安全にセラピー/カウンセリングを
受けることができるような体制が
未だに構築されていないという
現行の日本の制度に
不備や問題があるからであり
ひとりでも多くの人が安心して
セラピー/カウンセリングを受けられる
環境が整うよう
私たち専門家も努力を続けていきますが
制度が整うまでの間は
どうか「経験」だけではなく
適切な知識と技術を備えた
セラピストやカウンセラーを選ぶことを
皆さんも意識してください。
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