カップルセラピーという言葉から
「相手を説得する場」
「第三者が判断してくれる場」
そんなイメージを
持たれている方も少なくありません。
【vol.2348】
こんにちは!
カウンセリングオフィス
プログレスのむかいゆかです。
今日はクリスマスイブですね。

今日と明日は
カップルや夫婦、家族で
過ごされる方が多いことと思います。
カップルや夫婦の関係が
うまくいっているときはイイのですが
必ずしも、そういうときばかりでは
ありませんよね。

そういったときには
是非ともカップルセラピーを
試してもらいたいと思うのですが
最近、カップルセラピーについての
お問い合わせをいただく中で
時々、こんな前提や誤解が
感じられることがあります。
「第三者が入れば、相手も冷静になるはず」
「プロに話を聞いてもらえれば
考え直してくれるかもしれない」
追い詰められた状況の中で
そう思いたくなる気持ちは
とても自然だと思います。
ただ、今日はひとつ
ハッキリとお伝えしたいことがあります。
カップルセラピーは
相手を説得するための場所ではありません。
多くの人にとって
「話し合う」という言葉は
どこかで
「分かってもらうこと」
「納得してもらうこと」
と結びついているように思います。
その延長で
「話し合いを助ける場=
相手の気持ちを変える場」
というイメージが生まれやすいのも
無理はありません。
ですが
カップルセラピーで行っているのは
相手を動かすための
説得や交渉ではありません。
カップルセラピーを考える段階では
一方は関係修復を強く望み
もう一方はすでに気持ちが離れている
…ということも少なくありません。
関係を失うかもしれないという
恐怖の中にいるとき
「このままでは終わってしまう」
「何とかしなければ」
という思いが強くなるのは
無理もないことだと思います。

その切実さから
「第三者を入れれば、
何かが変わるかもしれない」
と期待してしまうことがあります。
ここで、もう一つ
よく起きている誤解があります。
カップルセラピーが
「相手を説得する場」と
誤解されやすい背景には
セラピストが
どこか「裁判官」のように
捉えられていることもあるように
感じています。

第三者が入ることで
「どちらが正しいのかを
判断してくれるのではないか」
「自分の言い分の妥当性を
認めてもらえるのではないか」
そんな期待が
無意識のうちに生まれることがあります。
ですが、カップルセラピーにおいて
セラピストがどちらかを裁いたり
勝ち負けを決めたりすることはありません。
なぜならば
何が起きていたのか
どんな感情や傷が積み重なってきたのかを
一緒に理解していくことが
セラピーの役割だからです。
もしセラピーが
相手を説得することを
前提とした場になってしまうと
✔️ 感情を話すこと自体が
「期待」や「圧」になる
✔️ セラピーが安全な場ではなくなる
といったことが起こりやすくなります。
その結果
「もう二度と話したくない」
「ますます気持ちが離れた」
という形で
溝が深まってしまうこともあります。

カップルセラピーの役割は
✔️ 何が二人の間で起きていたのか
✔️ どんな感情やニーズが
置き去りにされていたのか
✔️ なぜここまで追い込まれたのか
…etc.を
安全な形で見ていくことです。
そのプロセスの中で
関係を修復するという選択に
至ることもありますし
もちろん、話し合った結果
お互い納得した上で別れるという選択に
至ることもありますし
現状を維持していくという選択に
至ることもあります。
どれも、あり得る結果です。
最初から
「修復ありき」で
進めるものではありませんし
修復=成功、離別=失敗
というものでもありません。
私は
カップルセラピーを引き受ける際
以下のことを大切にしています。
✔️ 相手を変える、説得する目的ではないか
✔️ 双方が、この関係について
誠実に向き合う意思を持っているか
双方にとって
カップルセラピーを安全に行えないと
判断した場合には
お引き受けしないこともあります。
それは拒否ではなく、
誰かが傷つかないための判断です。
カップルセラピーは
相手を説得するための場ではなく
二人の関係性とこれからを
誠実で、安全なプロセスの中で
見極めていく場。

このことが
カップルセラピーを考えている方に
少しでも伝われば幸いです。
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