誰かの活躍を聞いたとき
胸がざわつく瞬間はありませんか?
その感情の奥には
まだ言葉になっていない
“自分だけの物語”が隠れていることがあります。
【vol.2320】
こんにちは!
カウンセリングオフィス
プログレスのむかいゆかです。
20年ほど前、とある学会で
同じ研究テーマに取り組んでいた
臨床心理士の方と知り合いました。
彼女は関西の大学病院で
私は札幌の大学病院で─
物理的には遠く離れていましたが
同じ時代に臨床の現場で奮闘していた
“同志”のような存在で
頻繁に会うことはなかったものの
今に至るまで細々と
交流をあたためてきました。

彼女は
東海地方の大学で教員となり
今では教授としてご活躍されています。
そして先日、来年の春から
東京の大学でお仕事をされることが決まった─
そんな嬉しいニュースが届きました。
実は私自身も
かつて大学教員を目指して
博士課程に進んだことがあります。
けれど
途中でドロップアウトして
臨床の道に専念する道を選びました。
だから正直に言うと
数年前の私なら今回のニュースを
素直に喜べなかったかもしれない。
そう思ったんですよね。
「私は途中で辞めてしまったのに…」
「最後まで頑張れなかった私は
ダメなんじゃないか」

そんなふうに
自分を責める声が
真っ先に顔を出していたはずです。
誰かの成功が
自分の“足りなさ”を
照らし出してしまうように感じてしまう。
以前の私は
しょっちゅう、その痛みに
押しつぶされそうになってました。
でも今は
本当に不思議なくらい心が穏やかです。
胸がザワつくこともなく
「本当にすごいなぁ」
「よかった!」と
心から祝福する気持ちが
湧いてきているんですよね。

それはきっと
私自身が“自分の選んできた道”に
納得できるようになったから。
博士課程を辞めたことも
臨床の現場に深く向き合ってきたことも
今の私を形づくる大切なプロセスで
ようやく
「これでよかった」と
思えるようになったのです。
比較の世界から自由になると
他人の成功は
自分を脅かすものではありません。
ただの“良いニュース”として
すーっと心に届くものなんですよね。
むしろ
長く続いてきたご縁のなかで
仲間が前に進む姿は
自分にとっても静かな励ましになります。

誰かの活躍に胸がチクリとしたり
ざわつく瞬間があるとしたら─

それは
まだ癒えていない自分の一部が
静かに反応している証拠。
その部分は責める必要のない
とても大切な自分です。
そして
そうした繊細な揺れに
気づけたときこそ
変化の入り口が開きます。
人の成功に心が反応するとき
その裏側には
まだ言葉になっていない感情や
ゆっくり扱う必要のあるテーマが
隠れていることがあります。
そのプロセスは
一人で抱え続けるには繊細すぎますが
誰かと共に
丁寧に見つめることで
ゆっくりとほどけていくもの。

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