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なぜAIはセラピストの代わりになり得ないのか|Still Face実験に見る限界

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便利さが増えるほど

私たちは“応答してくれる誰か”の存在を

より必要としていくのかもしれません。

 

 

 

【vol.2307】

 

 

 

こんにちは!
カウンセリングオフィス

プログレスむかいゆかです。

 

 

 

つい先日、

アメリカのセラピストが

 

 

「生成AIを

 セラピスト代わりに利用する人が増え

 セラピーに通う人の数が減少している」

 

 

という内容の投稿を

SNSにしているのを見かけました。

 

 

 

セラピー文化が根づいている

アメリカでもなのか!と驚きましたが

 

 

困ったときには

24時間アクセスできて

しかも安価だから…という理由で

生成AIが選ばれるというのは

もはや世界的な傾向のようです。

 

 

 

 

 

 

でも──
AIをセラピスト代わりに使うことには

決定的な限界があると思うんですよね。

 

 

 

今回は、アメリカ人心理学者Tronickの

Still Face Experiment(無表情実験)での

実験結果を通して

その理由をお話ししたいと思います。

 

 

 

Still Face Experimentが示した
“関係の力”

 

 

 

1970年代、アメリカ人心理学者の

エドワード・トロニックは

 

 

赤ちゃんと養育者のやりとりの中で
「突然、養育者が無表情になったらどうなるか?」
という実験を行いました。

 

 

 

最初は親とのやり取りを

楽しんでいた赤ちゃん。

 

 

でも、途中で

親が突然心を閉ざして無表情になると

 

 

赤ちゃんは

笑って注意を引こうとしたり

金切り声を出して呼びかけたり

手を伸ばしたりして

 

 

必死になんとかして

お母さんとつながろうとします。

 

 

 

それでも応答がないと

不安・混乱に陥って

情緒的に大きく乱れてしまいます。

 

 

 

 

 

 

そして、親の表情が戻ると

赤ちゃんは安心して

落ち着きを取り戻すのです。

 

 

 

この実験が示したのは

私たちは「応答のある関係」によって

調整されているということ。

 

 

 

これは赤ちゃんだけでなく

大人にも全く同じことが言えるのです。

 

 

 

⬇︎実際の実験の動画⬇︎

 

 

 

 

 

 

AIは“Still Face ”に近い

 

 

 

AIとの対話は便利です。

 

 

 

適切な答えも返ってきますし

ときに励まされるようにも感じます。

 

 

 

でも—

AIには「情緒的な応答」や
「共に感じる能力」がありません。

 

 

 

 

 

 

言葉は返ってきますが

 

 

• 表情はない
• 微細な声の揺らぎもない
• 間合いも温度も存在しない
• “いま、この瞬間の私”に合わせて変化していく
 attunement(情緒的な共鳴) がない

 

 

 

つまり、AIとのやり取りには
人と人のあいだに生まれる

“情緒的な応答性”がないんですよね。

 

 

 

だからこそ

Still Face Experiment の

『無表情の相手』に近いのです。

 

 

 

人は、言葉よりも

表情やまなざし、声のトーンといった
“非言語的な応答性”によって

安心し、癒される生き物。

 

 

 

AIの限界は、そこにあるのです。

 

 

 

セラピーとは
「応答のある関係」を取り戻す体験

 

 

 

セラピーの本質は
“ひとりで抱えてきた感情に
 人と人が出会う場で触れていくこと”。

 

 

 

 

 

 

耐えがたい感情が

耐えられるものになるのは
その感情を“ひとりで”抱えなくていいと

感じられたとき。

 

 

 

人は“感情そのもの”ではなく、
その感情を

“ひとりで抱えること”に苦しむ─

 

 

 

これはDiana Foshaが

繰り返し強調してきた
AEDPの核となる考え方

(Undoing Aloneness)です。

 

 

 

AIは“答え”はくれますが
「誰かとつながっている」

という体験は提供できません。

 

 

 

それは

Still Face Experimentが

教えてくれています。

 

 

 

私たちが深く傷つくのは
感情や存在を

「無視されたと感じるとき」

 

 

 

逆に、
心から応答してくれる相手が

目の前にいるときは
人は何度でも回復していけるのです。

 

 

 

セラピーとは

その回復力を取り戻す

プロセスそのものなのです。

 

 

 

AIの時代だからこそ生きる
“人と人のセラピー”

 

 

 

AIは補助的には使えても、
「心を感じ合う」という領域には

踏み込めません。

 

 

 

感情を抱えたとき、
人生に迷ったとき、
人間関係に疲れたとき─

 

 

 

私たちが求めているのは、
「正しい答え」ではなく
“あぁ、わかってもらえた”という

感覚なのだと思います。

 

 

 

 

 

 

もちろん、AIは便利ですし、

私たちの助けになる場面も
たくさんあるでしょう。

 

 

 

でも─
その便利さの陰で

失われていくものにも

私たちは気づいているはずです。

 

 

 

感情を抱えたときほど

誰かとつながる温度が

必要になります。

 

 

 

セラピーの大きな力は
“人と人” が向き合う場で生まれる

つながりにあります。

 

 

 

そのつながりの中でこそ
私たちは安心して自分自身の気持ちに

触れていけるのだと思います。

 

 

 

ひとりで頑張らずに
私にお手伝いさせてください。

 

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