「感じない」というのは
弱さではなく
心の守るための手段のひとつ。
けれど、その防衛が長く続くと
命を危険にさらしてしまうことも。
父の入院をきっかけに
「感じること」と生きる力の関係を
改めて考えました。
【vol.2288】
こんにちは!
カウンセリングオフィス
プログレスのむかいゆかです。
父に受診するように説得した話を
お伝えしましたが
結局、父は大きな病院に
入院することになりました。

近所にある内科医院で
血液検査をしたら
炎症反応の数値が
命に関わるほど高いものだったのに
父はまったくといって良いほど
痛みを感じていなかったそうです。
診てくださった先生も
「ここまで高いのに
何も感じないのは珍しい」
と驚いていた…と
父に付き添っていた
妹が教えてくれました。
人はあまりにも
強いストレスや恐怖にさらされると
感じることを“切り離す”ことで
自分を守ろうとします。

それは心身が生き延びるために
編み出した知恵であり
決して異常なことではありません。
「痛くない」「大丈夫」
と言えること自体が
長年のサバイバル術なのです。
父の「何も感じない」も
そうした防衛の
ひとつだったかもしれません。
けれど
「感じない」という防衛が長く続くと
心身のサインにも
気づけなくなってしまいます。
本当は疲れているのに
「まだ大丈夫」と動き続けたり
異常を感じないまま重症化したり…。
感じないことで
守ってきたはずの命を
今度は危険にさらしてしまう—

そんな逆説的で
どこか皮肉なことが起こるのです…。
「感じないこと」が
安全だった時期をもう過ぎているのに
私たちはそのままのモードで
生き続けてしまいます。
セラピーの中では
この「適切に感じる力」を
少しずつ取り戻していくことを
大切にしています。
悲しみも痛みも
感じられるようになるのは
回復のサインであり
感じることができるからこそ
真の意味で、自分を守る選択が
可能になるんですよね。
思いがけない父の入院を通して
改めて感じました。
身体感覚や感情を「感じること」は
私が生きている証であり
健やかに生きるために
必要不可欠なセンサーであるということを…。

あなたの「感じない」は
弱さではなく、かつてのあなたを
守ってきた力かもしれません。
でも今は
その防衛を少し緩めて
身体や心の声に耳を傾けてみませんか?
そうすることで、
もっと健やかに生きる力を
取り戻していけるはずです。
セラピーはその“感じる力”を
安全に取り戻すための場。

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